
介護を辞めたい。でも次に何の仕事をすればいいかわからない。
そう思いながら、転職サイトを開いては閉じている人に読んでほしい記事です。
「介護 転職 おすすめ」で検索すると、どのサイトにも似たような職種リストが並んでいます。
正直、それを見ても「自分に合うかどうか」は全然わからないですよね。



私は介護職から一般企業に転職した経験があり、その後2,000件以上の転職相談を受けてきた元転職エージェントです。
相談者を見てきてわかったのは、「向いている転職先は、人によって全然違う」ということです。
この記事では、介護職が転職しやすい職種を紹介しながら、「自分に何が合うか」を知るための最初のステップまでお伝えします。
介護職が転職を考える3つの理由


介護職が転職を考えるきっかけは人によって違います。ただ、2,000件の相談を受けてきた中で特に多かった理由は3つに集約されます。
- 夜勤・早出・遅出とシフトをこなしても年収が横ばいのまま、という給与への不満。
- 移乗・入浴介助・夜勤明けを繰り返しながら「このまま何年も続けられるのか」という身体的な不安。
- やりがいは感じていても「ずっとこの業界にいていいのか」という将来への漠然とした迷い。
この3つのうち一つでも当てはまるなら、転職を考えること自体は自然なことです。
介護から転職しやすいおすすめ職種7選


介護職の経験は、思っている以上に他業界で通用します。ここでは実際に相談者が転職した職種と、私自身の体験をもとに、介護から転職しやすい7つの職種をまとめました。
1.営業職
向いている人
人と話すことが苦にならない人、相手の話を最後まで聞ける人に向いています。介護職で「傾聴」を意識してきた人は、営業でも活かせる素地があります。
介護経験の活かし方
保険・医療・福祉関連の営業であれば、介護の専門知識がそのまま武器になります。それ以外の業界でも「相手の課題を引き出して提案する」スタイルは介護との共通点が多く、相手が話しやすい雰囲気を作る力は営業でも大きな強みになります。
注意点
成果主義の会社が多く、数字に対するプレッシャーがある職場もあります。残業ありきの環境も少なくないため、仕事量の増加は覚悟しておいた方がいいです。転職先を選ぶ際は、固定給と歩合のバランス、残業時間の実態を必ず確認しましょう。
2.事務職
向いている人
介護記録・ケアプラン・報告書など、文書作成に苦手意識がない人。正確さを求められる作業が得意な人に向いています。
介護経験の活かし方
多職種との連携や調整業務の経験は、バックオフィス業務でも評価されます。「連絡・報告・相談が習慣になっている」「細かい記録が苦にならない」といった経験は、事務職でも評価されやすい要素です。
注意点
応募倍率が高く、書類審査が厳しい職種です。未経験から応募する場合、MOS(Word・Excel)や簿記などの資格があると選考通過率が上がります。「とりあえず事務職に」という理由だけでは難しいため、自分の強みを言語化しておくことが大切です。
3.製造職
向いている人
人間関係のストレスを減らして、黙々と作業に集中したい人に選ばれることが多いです。「常に誰かのために動き続ける緊張感から離れたい」という気持ちで選ぶ人も多かったです。
介護経験の活かし方
安全管理への意識・体力・チームでの連携経験は製造現場でも通用します。「危険を予測して行動する」習慣は、製造業の安全意識と重なる部分があります。
注意点
私が相談を受けてきた中でも、製造職を選ぶ人は少なくありませんでした。一方で、「思ったより勤務時間が長い」「繁忙期の残業が多い」と感じる人もいました。介護より人間関係のストレスは減っても、体力面の負担がなくなるわけではありません。事前に職場環境の確認をしておくことをおすすめします。
4.警備職
向いている人
ルーティンワークが苦にならない人。「人手不足の施設から離れて、落ち着いた環境で働きたい」という動機で選ぶ人が多い職種です。
介護経験の活かし方
緊急時の対応経験・観察力・冷静な判断力は警備職でも活きる場面があります。施設警備や病院警備であれば、医療・介護への理解がある人材として評価されることもあります。
注意点
私が相談を受けてきた中でも、警備職を選ぶ人は少なくありませんでした。一方で、「思ったより勤務時間が長い」「夜間勤務がある職場もある」と感じる人もいました。介護より人間関係のストレスは減っても、体力面の負担がなくなるわけではありません。夜間警備がある職場の場合は、シフト感覚が介護時代と変わらない可能性があります。
5.接客・サービス業
向いている人
利用者への声かけ・気配り・笑顔での対応が自然にできる人。人と関わることが好きで、相手の状況を察して動ける人に向いています。
介護経験の活かし方
おもてなしの感覚・クレーム対応の経験は接客業で直接活きます。ホテル・ブライダルなど、丁寧な対応を重視する業界では介護職経験者の評価が高い傾向があります。
注意点
シフト勤務・土日休み不可の職場が多く、生活リズムが介護時代と大きく変わらないケースもあります。「休日を増やしたい」という動機で選ぶ場合は、求人票の休日・休暇の欄を必ず確認しましょう。
6.介護・医療特化の人材紹介会社
これは私自身が選んだルートで、「介護経験がそのまま武器になった」と最も実感した職種です。
人材紹介会社では、求職者(介護職・看護師)の転職相談を受け、施設や病院などの採用担当に候補者を提案する仕事をします。
求職者対応では、「夜勤がきつい」「人手が足りない」という悩みを実際に経験していたからこそ、表面的な言葉の裏にある本音を引き出せました。
「わかります」という言葉の重みが、経験者と未経験者では全然違います。施設への提案営業では、施設の状況・職員構成・職場の雰囲気を現場目線でイメージできるため、「現場をわかって話してくれる」と採用担当者に言われたことは何度もありました。
向いている人
人の話を聞くのが好きで、誰かの転職をサポートすることにやりがいを感じられる人。「介護業界は好きだが現場を離れたい」という人に特にマッチします。
注意点
目標数字(成約件数・売上)があるため、営業的なプレッシャーはあります。また会社によって介護・医療特化型か総合型かで仕事内容が変わります。求人を見るときは、扱う領域と担当エリアを確認しておきましょう。
7.福祉用具販売・医療機器営業
向いている人
介護の専門知識を活かしながら「現場を離れたい」人。ケアマネや施設スタッフと関わり続けたいが、身体的負担は減らしたい人に向いています。
介護経験の活かし方
福祉用具の選定・提案には介護知識が必要です。現場での用具使用経験があると、利用者目線の具体的な提案ができます。ケアマネや施設スタッフへの営業では「同じ言語で話せる人」として信頼されやすいです。
注意点
車での外回りが多いため、運転免許が必須の職場がほとんどです。地域によって担当エリアが広く、移動時間が長い場合もあります。
なお、福祉用具への関わり方には2つのルートがあります。「福祉用具販売・医療機器営業」として一般企業に転職する道と、「福祉用具専門相談員」として介護保険サービスの中で関わる道です。介護業界を完全に離れたいのか、現場から離れながら介護知識を活かしたいのかで、選び方が変わります。後者は次のセクションで解説しています。
介護を完全に辞める前に考えたい「現場を離れる選択肢」


「介護は辞めたいが、まったく別の業界に行く自信がない」というあなたへ。
介護業界の中でも現場から離れる選択肢もあります。身体的な負担を減らしながら、これまでの経験を活かせるルートです。
生活相談員
施設と利用者・家族の間を調整する役割を担います。介護現場の経験があるからこそ、現場の実情を踏まえた相談対応ができます。身体的負担は現場より大きく減りますが、対人・調整業務は増えます。
生活相談員の要件は自治体や施設種別によって異なりますが、社会福祉士・精神保健福祉士・社会福祉主事任用資格・介護福祉士などが要件になるケースがあります。応募前に、希望する施設の要件を確認しておきましょう。
ケアマネジャー
ケアマネジャーは、介護保険制度を熟知し利用者のケアプランを作成、サービス事業所や家族との調整を行う仕事です。
介護福祉士などの対象資格を持ち、一定の実務経験を満たすことで受験資格を得られます。介護職から日勤中心の働き方に変えたい人にとって、現実的な選択肢の一つです。資格取得には勉強時間が必要ですが、現場経験がある分、利用者の状態やサービス内容をイメージしやすい強みがあります。
介護事務
施設内でのレセプト業務(介護報酬請求)・スタッフのシフト管理・書類対応が主な業務です。現場経験があると施設の業務フローを理解した上で事務ができるため、即戦力になりやすいです。
未経験からでも入りやすい職種ですが、介護報酬の仕組みを学ぶ必要があります。
福祉用具専門相談員
介護保険サービスの中で、利用者に適切な福祉用具を選定・提案・モニタリングする専門職です。福祉用具専門相談員指定講習(50時間)を修了することで資格を取得できます。
「介護業界とのつながりを保ちながら、現場の身体的負担を減らしたい」という人に向いています。
前半で紹介した「福祉用具販売・医療機器営業(一般企業)」とは異なり、こちらは介護保険サービスの枠組みの中で働く形になります。
介護から転職するときに失敗しやすい人の特徴
おすすめの転職先を知るだけでは、転職は成功しません。相談を受けてきた中で、転職後に後悔した人には共通したパターンがありました。自分に当てはまるものがないか、確認してみてください。
給料だけで選んでしまう
「今より月収が上がるから」という理由だけで転職先を決めると、仕事内容・職場環境・労働時間とのミスマッチが起きやすいです。
収入は上がったが残業が倍になった、という話は何度も聞きました。給料はあくまで条件の一つです。
夜勤がない=楽だと思い込む
一般企業には夜勤がない代わりに、残業・持ち帰り仕事・数字へのプレッシャーがある職場も多いです。
「夜勤がないから楽になる」と思って転職し、残業の多さに驚くケースは少なくありません。
介護経験を低く見積もりすぎる
「介護しかしてきていないから、どこにも転職できない」と思っている人ほど、実際には市場価値が高い場合があります。
傾聴力・チームワーク・記録作成・緊急対応・多職種連携。これらは一般企業でも通用するスキルですが、介護職自身はそれを「特別なスキル」と認識していないことがほとんどです。
自己分析せずに求人だけ見てしまう
求人を見て「良さそう」と思っても、自分の強みや優先順位が整理できていないと、面接場面で「なぜこの仕事を選んだか」が上手く答えられません。
転職先を探す前に、まず「自分が何を大切にしているか」を言語化することが先です。



私自身、転職を考える前に約8,000円程を自己診断にかけました。
転職先を探す前に「自分を知る」ことが先
介護から一般企業に転職するとき、多くの人がぶつかる壁があります。
「自分の介護経験を、一般企業向けの言葉でどう伝えるかわからない」
「傾聴力があります」「チームワークを大切にしています」と書いても、一般企業の採用担当には伝わりにくいことが多いです。介護職は、自分のスキルを過小評価しやすい傾向があります。
だからこそ求人を見る前に、自分の強み・市場価値・適性を客観的なデータで確認することが大切です。
その手段として活用できるのが「ミイダス」の無料診断です。
- 市場価値(想定年収):転職市場での自分の価値の目安を数値で確認できます
- コンピテンシー診断:行動特性・ストレス要因・相性の良い職場環境を分析します
- 自分に合う求人:診断結果をもとに一般企業からオファーが届きます
※表示される想定年収は、必ずその年収で転職できるという意味ではありません。あくまで目安として確認してください。
私自身が介護職(ケアマネ)として登録したとき、想定年収が現職を大きく上回る数値が表示されました。



「少し高めに出るのでは?」と感じましたが、実際に複数届いた求人の中には現職より高い案件が多数ありました。
また診断結果を見て、自分が重視しているのは「職業名」ではなく、日勤中心・身体的負担の少なさ・一人で考える時間がある働き方なのかもしれないと気づきました。つまり私は「ケアマネという仕事そのものが好き」というより、ケアマネの働き方や環境が自分に合っていたのだと整理できたんです。
こんな気づきは、自分一人で考えていてもなかなか出てきません。
転職を悩む段階だからこそ、まず自分を知ることが最初の一歩になります。
登録・診断は無料で、転職を決めていない段階でも利用できます。
\まずは市場価値診断を試してみる/
診断してみたら、次にやること
方向性が少し見えてきたら、次は一人で抱えないでください。転職を決めていなくても、話を聞いてもらうだけで自分の考えが整理されることがあります。
2,000件の相談を受けてきた中で感じること。「転職するかどうか迷っている段階で相談に来た人」の方が、その後の転職活動がスムーズでした。決めてから動くのではなく、話しながら決めていけばいいんです。
まとめ
介護から転職を考えるとき、最初にやることは転職先を探すことではありません。
まず自分が何を優先したいかを知る。そのうえで転職先を選ぶ。この順番を守るだけで、転職後に「なんか違う」と感じるリスクが大きく下がります。
介護職の経験は、伝え方次第で一般企業でも評価される可能性があります。あとは、それをどう言語化して伝えるかだけです。









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