お給与に直結!取得している加算率によってお給与が変わります!
結論からお伝えします!事業所が取得している加算が何か?いくつあるのかで事業所に入ってくる収入が変わります。なので取得している加算が高い事業所へ転職することをお勧めします。
同じ処遇改善加算でも(1)なのか(2)なのかで算定するパーセンテージが違います。高い処遇加算を取得しているという事は労働条件や職場環境が整えられている、という証拠にもなっています。しっかり昇給の仕組みがある!有給などの休みの取得にも力を入れている。社内外での研修も豊富でキャリアアップに力を入れている事業所の証と言ってもいいでしょう!
求人情報を見て頂くと「時給」という表記にバラつきがあります。保険制度の点数制なので、同じ都道府県であれば支援して入ってくる単価はどこも同じです。ですが、このバラつきの正体は処遇加算の算定率の違いが生んでいる可能性があります。事業所によって、職員に手厚く加算を給与に反映させてくれている所もありますので、バラつきを一概に加算だ!とは言い切れません。
処遇改善加算とは?整備された事業所に対して給付される加算!
主に介護職員へ安定的な処遇の改善を目的として、賃金改善・キャリアアップ仕組み作り・職場環境改善を行った事業所に対して支給される加算です。現場で働く介護士や介護事務など介護業務に携わる人に直接入ってくる加算ではありません。事業所に入る加算で、事業所の裁量で配分されているのが処遇改善加算です。そのため、昨今のニュースで流れている月額賃金を〇〇円アップという報道と現実に違いが生じているのが現実です。ただし配分方法には一定のルールが存在するため、事業所が懐に全て入れているという状況は少ないでしょう。
処遇改善加算は3種類あります。一つづつ見ていき、後半は全体像でまとめてあります。
[わかる!]介護職員処遇改善加算
現場で働く介護職員の賃金を上げることを目的に出来た加算です。2009年〜2011年の間は「処遇改善交付金」という名目で始まっており、その後に介護職員処遇改善加算と名称変更がされました。
- 開始:2012年4月
- 加算支給対象者:介護職員のみ
- 加算の種類:(1) (2) (3)全3種
- 算定するための算定要件:キャリアパス要件、職場環境等要件。簡単に説明すると賃金改善するために給与規定を作りなさい。働きやすい環境を作りなさい。などです。職場でストレスチェックや人事評価を行っていませんか?それがまさに、この要件なのです。
サービス種別 | 加算(1) | 加算(2) | 加算(3) |
訪問介護 夜間対応型訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 13.7% | 10% | 5.5% |
訪問入浴介護 | 5.8% | 4.2% | 2.3% |
通所介護 地域密着型通所介護 | 5.9% | 4.3% | 2.3% |
通所リハビリテーション | 4.7% | 3.4% | 1.9% |
特定施設入居者生活介護 地域密着型特定施設入居者生活介護 | 8.2% | 6.0% | 3.3% |
認知症対応型通所介護 | 10.4% | 7.6% | 4.2% |
小規模多機能型居宅介護 看護小規模多機能型居宅介護 | 10.2% | 7.4% | 4.1% |
認知症対応型共同生活介護 | 11.1% | 8.1% | 4.5% |
介護福祉施設サービス 地域密着型介護老人福祉施設 短期入所生活介護 | 8.3% | 6% | 3.3% |
介護保健施設サービス 短期入所療養介護(老健) | 3.9% | 2.9% | 1.6% |
介護療養施設サービス 短期入所療養介護 | 2.6% | 1.9% | 1% |
加算(1)>加算(2)>加算(3)の順で高い事がわかります。
これから下記で紹介する残りの2種の加算を算定をするためには、この介護職員処遇改善加算は取得している必要があります。基本の加算と考えてもよいでしょう。
[わかる!]特定処遇改善加算
2019年に”勤続10年以上の介護職の月給を8万円賃上げする!”とニュースで騒がれていた事を覚えていらっしゃいますか?あの内容が今の特定処遇改善加算です。ここからは訪問系のみにしぼって紹介させて頂きます。申し訳ありません。
- 開始:2019年10月
- 加算支給対象者:1️⃣経験・技能のある介護職員 2️⃣その他の介護職員 3️⃣その他の職種
- 加算の種類:(特定1) (特定2)
- 算定するための要件:介護職員処遇改善加算の(1)(2)(3)のどれかを取得していること。
特定(1) | 特定(2) | |
訪問介護 夜間対応型訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 6.3% | 4.2% |
特定(1)>特定(2)の順で高いですね。
[わかる!]介護職員等ベースアップ支援加算
2022年2月から”月額9000円の手当を支給”とこれもニュースで取り上げられていました。こちらは記憶に新しいのではないでしょうか?
- 開始:2022年10月
- 加算支給対象者:介護職員。ただし、事業所の判断により、他の職員の処遇改善にこの処遇改善の収入を充てることができるよう柔軟な運用を認める。
- 加算の種類:1種のみ。
- 算定するための要件:介護職員処遇改善加算の(1)(2)(3)のどれかを取得していること。賃上げ効果の継続に資するよう、加算額の2/3は介護職員等のベースアップ等に使用することを要件とする。
加算率 | |
訪問介護 夜間対応型訪問介護 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 | 2.4% |
[全体像でわかる!]3種の処遇改善加算をまとめると…
出典:厚生労働省(制度概要・全体説明資料)より
ここまで読んで頂いた方は表を見て頂くと全体像がイメージ出来るようになっていると思います。
では実際、加算取得をして請求する差は?
計算方法は一ヶ月に利用する総単位数に各加算を掛けていきます。例えば、週に2回1時間の訪問介護サービスで入浴支援を受けた場合。一回の1時間利用すると250単位。一週間で500単位。一ヶ月で2000単位としましょう。
ケース1️⃣ 処遇(1)13.7%+特定処遇(1)6.3%+ベースアップ加算2.4%の場合
2000✕13.7%=274単位 2000✕6.3%=126単位 2000✕2.4%=48単位
274+126+48=448単位 ←これが3種の加算をつけた合計です。
ケース2️⃣ 処遇(2)10%+特定(2)4.2%+ベースアップ加算2.4%の場合
2000✕10%=200単位 2000✕4.2%=84単位 2000✕2.4%=48
200+84+48=332単位 ←これが3種の加算をつけた合計です。
116単位の差です。もし、事業所で受け入れている利用者数が100人いれば1万単位の差がでます。
まとめ
1️⃣処遇加算がしっかり取れている事業所は働きやすい環境が整備されていると言っても過言ではない。ただし、しっかりとした運営がされている証なので、困難ケースなどの依頼が来やすいという側面ももっています。介護はチームケアです。困難なケースもチームで乗り越えて、しっかりお給与を頂きましょう。
2️⃣加算を頂いているのは利用者さんからです。加算が増えれば増える程、利用者さんの金銭的負担が増します。職員側がしっかりと各加算を理解して利用者さんに説明がいつでも出来るようにしましょう。サービスの質の向上も加算を取得する要件です、一緒に勉強していきましょう!
3️⃣これから訪問介護で働きたい人、訪問介護への転職を考えている人は就職希望先で処遇加算について聞いてみましょう。こちらが勉強していれば、就職先も「良い人材だ!」と受け止めてくれるはずです。そこから給与交渉にいけば、交渉もしやすくなるはずです。一点だけ注意点!令和6年度からこの3つの処遇改善加算は一本化されます。中身がどうなるのか詳細は出ていません。分かり次第、まとめて発信していきたいと思っています。
みなさん、今日も一日ほどほどにがんばりましょう!
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