辞めてよかった?介護職を辞めた私の体験談と“辞めたい理由TOP5”

悩んで不安そうにうつむく女性と、笑顔で前向きな女性の対比。「辞めたいけど不安…」「戻れるからこそ挑戦できる!」というメッセージが入ったアイキャッチ画像

介護職は一所懸命がんばっても報われない…

介護しか経験していないけれど、他で通用するのかな?

そう感じて「辞めたい」と思ったことはありませんか?

  • 上がらない給与…
  • 慢性的な人手不足よる体力の限界…
  • 改善が見込めない人間関係…

そして、将来資金や子どもの学費を考えると「このままでいいのか」と不安になる人も多いでしょう

それでも「介護しか経験がない自分が他業界で通用するのか」「辞めたら後悔するのではないか」と、不安で踏み出せない人は多いはずです。

私自身も同じように悩み、実際に介護職を辞めて営業職に転職し、そしてまた介護に戻りました。
この経験を通して言えるのは辞めてもいい。介護は戻れる業界だから大丈夫 ということです。

介護職を辞めた私の体験談を通して『辞めたらどうなるか』『後悔しないのか』を具体的に伝えます。

この記事では以下3つを解説しています。

  • なぜ介護を辞めたのか
  • 他業界で得られたもの・つらかったこと
  • 戻って気づいた介護の価値

辞めてもいいんです。介護職は一度離れても戻れる場所です。
迷っている今だからこそ、この記事を通して「辞めてよかった」と思える選択肢を一緒に考えてみませんか。

目次

私が介護を辞めた理由と、やめた後の体験談

30代で介護職を続けられるか不安を抱え、パソコンの前で悩む女性。テキストに“30代で気づいた このまま続けられない不安”と書かれている

私が介護職を辞めて、どのような経験をしたのか具体的な体験談をお伝えします。
以下のような人の参考になります。

  • 家庭・子育て・ローンなどがあり、収入や安定性を重視する人
  • 他業界未経験で勇気がでない人、後悔したくない人
  • 介護職から他業界へ転職した体験談が知りたい人

30代で気づいた“このまま介護を続けられない”不安と現実

私が介護職を辞めるべきか真剣に考え出したのは30歳を過ぎてからでした。
施設勤務の夜勤業務に疲れ、日勤だけの訪問介護で働き出し4年が過ぎた頃の事です。

このまま定年を迎えるまで介護の仕事を続けられるのだろうか?

介護の現場は体力も心も大きく消耗します。そうした将来への不安が日に日に強くなっていきました。

世の中の一般企業では賃上げのニュースが流れ、初任給が上がっているのを目にしました。

私の給与はその初任給を下回る水準で、休日出勤や持ち帰り仕事をしても改善される見込みはありませんでした。

  • 自分たちの将来の生活資金の貯蓄
  • 子どもの学費
  • 今の職場には明確な昇給制度がなく、長期就労でも収入は変わらない

努力や経験が給与に反映されない環境では、働き続ける意欲を持ちにくかったのも、辞める決断に至った大きな要因でした。

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営業職で7万円収入アップ!生活がガラッと変わった

転職活動にかけた期間は約半年間。
介護の知識が活かせる仕事はないか?と模索し10社以上にエントリーをしました。

そのうち、一次面接に進めたのは4社でした。厳しい現実でしたが、無事に希望の会社に入社しました。

営業に転職してよかった【生活面の変化

営業に転職してよかった【仕事面の変化

  • 月1回のファミレスが → おしゃれなレストラン
  • 子どもの習い事に回せる余裕ができた
  • 将来のための貯金にも少しずつ手を回せるようになった
  • シフト制から → カレンダー通りの勤務
  • 給料は昇給が見込めない仕組みから → 成果次第で収入UP
  • 介護では曖昧だった評価基準が → 数字で明確に評価される

7万円も収入が増えた

介護職から営業職に転職して、一番大きく変わったのは収入でした。
手取りは20万円台前半から後半にアップし、ボーナスも10万円ほど増えました。以前は「外食は月1回が精一杯」でしたが、月3回ほど行けるようになり、将来の貯金にも手を回せるようになりました。

新しい挑戦は別世界

介護職から営業職へと移った当初は、まったく新しい仕事内容に挑戦はまるで別世界でした。
覚えることが多くて毎日が精一杯でしたが、少しずつできることが増えていくのが嬉しく、仕事に前向きになれました。

やがて得意先ができ、営業先の担当者と意気投合して契約に結びついたときは、大きな達成感を得られました。

最初の契約は震えるほど緊張しましたが、相手先が「よろしくね!」と言ってくれた事に感動しました。

介護しか知らなかった私にとって、数字や契約といった世界で結果を出せた経験は、「自分にも新しい環境で通用する力がある」と実感できる出来事でした。

介護業界から離れた人の声

私だけではなく、同じように介護を離れた人の声を見ても、共通点が多いと感じます。

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収入は上がった。でも“心を削る営業の現実”

営業職に転職して、確かに収入や生活リズムは改善されました。
しかし、その裏側には介護業界にはなかった“別の厳しさ”が待っていました。

介護業界にはないスピード感

介護は利用者さんに寄り添いながら進める仕事ですが、営業はスピード勝負。
悩んでいる時間は1秒も惜しく、舞い込んでくる仕事の重要度×緊急性を即座に判断し処理していきます。

無駄な話、仕事はせず自分に課されたノルマを1秒でも早く完了させる必要がありました。

膨大な残業時間、昼休みはほぼなし

日中はアポや訪問に追われ、資料作成や事務処理は夜に回ることも珍しくありません。
仕事に終わりはなく、毎日朝からよるまで12時間勤務が常態化していました。

昼休みも移動や電話対応でつぶれることが多く、介護以上に体力を削られる毎日でした。

休みでも仕事が頭から離れない

カレンダー通りの休みはあっても、顧客対応や営業ノルマのプレッシャーがつきまといます。
「売上目標まであと少し」と休日に資料を見直す、電話対応で顧客フォローなど、心が休まらないこともありました。

10年以上、シフト勤務をしてきた私には、平日の5連勤が延々と続くのはまた違う疲労感がありました。
“平日休み”がないため、平日ならではの自由な時間が持てず、息苦しさも感じました。

収入アップだけじゃ幸せになれなかった。介護に戻った理由

お金と家族の時間を天秤にかけるイラスト。左側に日本円の紙幣、右側に笑顔の家族の写真。テキストに“お金があれば幸せ? 家族との時間?”と書かれている

営業職で収入は増えました。
しかし、休日もノルマに追われ、家族と一緒にいても心が休まらない生活が続きました。

「お金があれば幸せになれるはず」と思って選んだ道でしたが、実際には大切な家族との時間を失ってしまったのです。

もちろん、介護に戻ると決めるまでには迷いもありました。

  • せっかく介護を離れたのだから、このまま別の業界に挑戦すべきじゃないか?
  • 辞めたあとに後悔するんじゃないか?
  • 介護に戻ったら“結局失敗した人”と思われないか?

それでも最終的に介護に戻ったのは、営業で得られる収入よりも、家族と過ごす時間と心の余裕の方が私にとって大きな価値だと気づいたからです。

もしあなたも“お金のために辞めるべきか”と悩んでいるなら、収入だけでなく“自分にとって大切なものは何か”を一度立ち止まって考えてみてください。

介護経験は武器になる!他業界でも通用するスキル

介護職で培った3つのスキルを示す図。耳の写真で『人の声を聞ける』、握手の写真で『関係を作れる』、目の写真で『変化に気づける』と表現し、“介護経験は他業界でも通用する武器になる”ことを強調している

介護以外では通用せず働けないかも…

そんな風に思う必要はありません。
介護の現場で積み重ねてきた経験は、他業界から見れば立派な武器です。どんなスキルが評価されるのか、そしてどんな職種に活かせるのかを具体的に解説します。

介護で身につけた“傾聴力・観察力”は強力な武器

私が介護職から営業職へ転職してまず感じたのは、介護で培ったスキルが想像以上に活きるということです。

  • 利用者や家族の声に耳を傾けてきた「傾聴力」は、そのまま顧客ヒアリングに直結しました。
  • 多職種連携で培った「調整力」も、営業先との交渉で大きな強みになりました。
  • 営業先や顧客との関係構築に「観察力」が活き、他の営業マンとの差別化に繋がります。

介護経験を活かせる職業4選

介護経験は“人と関わる力”が武器になるため、以下のような職種で強みを発揮できます。
ただし、それぞれにメリットとデメリットがあるため、冷静に見極めることが大切です。

職種メリットデメリット
営業職成果が収入に直結する/ヒアリング力を活かせるノルマが厳しい/残業が多く生活リズムが崩れやすい
接客業接遇スキルや気配りが評価されやすい休日が不規則/体力的な負担が残ることも
人材サービス求職者と企業の橋渡しに「傾聴力・調整力」が活きるマッチング失敗のプレッシャーが大きい
福祉関連事務・総務介護知識を活かしながら裏方で支えられる現場のような“やりがい”を感じにくい

私自身も営業職に挑戦しましたが、収入は上がる一方で「ノルマの重圧や残業の多さ」に直面し、生活とのバランスに悩むこともありました。

介護を一度離れるべき人の特徴3タイプ

次のような人は、一度介護を離れて他業界を経験するのも選択肢です。

  • 家族のためにどうしても収入を上げたい
  • 今の職場環境が心身ともに限界に達している
  • 「介護に向いていない」と自己否定感が強くなっている

ただし忘れてはいけないのは、介護業界の中でも職場を変えることで状況が改善するケースは多いということです。

「辞めるかどうか」だけでなく、「介護の中でどう働くか」もぜひ視野に入れてください。

介護職を辞めて気づいた3つの学び。後悔は一切なし

介護職を辞めて気づいた3つの学びを示す図。1.スピード感、2.顧客目線、3.会話力。丸アイコンではなく、吹き出しで表現し、前向きな成長を強調

私自身の体験でいうと後悔はありません。
辞めたことで得られた学びの方が大きかったのです。

介護業界では得られなかった以下の学びを営業職で得られたからです。

  • 仕事に対するスピード感(即断即決が求められる環境)
  • 顧客の満足度や潜在ニーズを考える(相手の立場に立った提案)
  • 会話やコミュニケーションの技術(ゴールに向けて道筋を立てる会話設計)

どの業界でも役立つスキルを数多く得ることができました。
失ったものはなく、むしろ新しい力を手に入れられたと思っています。

私が働いていた会社には他業界から営業に転職してきた人も多くいました。
しかし、その中で続けられる人は決して多くありませんでした。 言い換えれば、営業ができる人は少数派であり、介護職からでも間口はあり、十分通用するということです。

だからこそ、迷っているあなたにも言いたいのです。
辞めることを恐れる必要はありません。辞めても必ず学びがあり、そして介護の仕事はいつでもあなたを受け入れてくれます。

後悔するかどうかは、辞めること自体ではなく、その経験をどう活かすか次第なのです。

みんなが介護を辞めたいと思う理由TOP5

介護職を辞めたい理由TOP5を示した図。1位人間関係のストレス、2位低賃金と将来の不安、3位体力的な限界、4位職場に魅力を感じられない、5位自分に向いていないと感じる

介護の現場で「もう辞めたい」と感じるのは、決してあなただけではありません。
多くの介護職が同じような悩みを抱えていて、その理由にはいくつかの共通点があります。

実際に、介護職の方が「辞めたい」と思うのはどんな理由が多いのでしょうか。
ここでは現場の声をもとに、特に多く挙げられるTOP5を紹介します。

第1位:人間関係のストレス

  • 現場は人手不足で余裕がなく、ピリピリした雰囲気になりがち。
  • 上司・同僚との価値観の違いが大きなストレスに。
  • 調査でも離職理由の上位に必ず入るほど、悩む人が多い。

第2位:低賃金と将来の不安

  • 他業種と比べても給与水準が低く、昇給も見込みにくい。
  • 「このままでは老後資金や教育費をまかなえるのか?」と不安になる。
  • 世間の賃上げニュースを聞くたびに取り残された気持ちになる。

第3位:体力的な限界

  • 夜勤や長時間労働、腰痛など、体力消耗が激しい。
  • 年齢を重ねるほど「この先ずっと続けられるのか」と不安に。
  • 体調を崩し、日常生活に影響が出て辞めざるを得ないケースも多い。

第4位:働き続けたいと思える職場じゃない

  • 理念と現場のギャップに疲れる。
  • 人手不足でやりたい介護ができず、理想と現実の差に消耗する。
  • 「ここで働き続ける未来が見えない」と感じてしまう。

第5位:介護は自分に向いていない

  • 「自分は介護に向いていないのでは」と感じてしまう瞬間がある。
  • ミスマッチを自分のせいにしてしまい、自己否定につながる。
  • こうした思い込みが辞めたい気持ちを加速させる。

このTOP5は「多くの介護職が共通して抱える悩み」です。
辞めたいと感じるのはあなただけではなく、自然なこと。
前述したように、辞めても学びがあり、介護はまた戻れる業界です。

介護職を辞めた私の結論。“辞めても学びと未来はある”

ここまでの体験と学びを踏まえて、私が出した結論をお伝えします。

介護職を辞めたいと思うのは、あなただけではありません。多くの人が不安を抱えています。

  • 人間関係
  • 低賃金
  • 体力の限界
  • 将来への不安

私自身も一度介護職を離れ、営業職へ転職しました。
結果的に介護に戻りましたが、その経験から「辞めたからこそ気づけたこと」がたくさんあります。
そして今振り返っても「辞めたことに後悔はない」と断言できます。

大切なのは「辞めるかどうか」そのものではなく、
自分にとって本当に大切なものは何かを考え、その上で決断することです。

介護の仕事は一度離れても、また戻れる業界です。
だからこそ、もし今の職場がつらいなら「我慢し続ける」だけが答えではありません。

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あなたが今できること

  • まずは「自分が辞めたい理由」を整理してみましょう
    人間関係?給与?体力?将来への不安?
  • 辞めたい理由が「職場の環境」にあるなら、転職を検討する価値は十分にあります。

    例:特養は合わなかったけど、グループホームは私には合っていた。
    例:施設より訪問介護の方が楽しい。

    こうしたケース、実は非常に多いです。
  • 辞めたい理由が「介護そのもの」にあるなら、一度離れてみるのも選択肢
    介護は戻れる業界だからこそ、挑戦しても後悔にはつながりません

無理に我慢して働き続ける必要はありません。
辞めてもいいし、戻ってもいい。それが介護の仕事の強さです。

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この記事を書いた人

介護歴15年以上・元転職エージェント・現役ケアマネ

「資格を取りたいけど時間もお金もない」
「給料を上げたいけど転職が不安」

そんな悩みに、現場と転職支援の両方を経験した視点から、“ブラックで消耗しない働き方”と“介護職の未来を変えるヒント”を発信中。

毎日利用者ケアに頑張るあなたの「次の一歩」を応援させてもらうブログです。

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