私は訪問介護事業所で働くことになり、「介護が楽しい」と改めて思った事に一つ。それが障害福祉サービスとの出会いでした。
高齢者は[介護保険法]、障害者では[総合支援法]に則り支援を提供していきます。
特養施設で働き、障害特性をもつ高齢者はいました。ですが訪問介護では、年齢的に若い障害者や在宅生活を続けている障害者の支援に入らさせて頂く事が多くあります。「私、高齢者との日々のやりとりに疲れてきちゃった…。」「俺、特養の仕事はお腹いっぱいだぜ。」なんて思っているそこのあなたへ!高齢者だけではない、介護の面白さを少しでもお届けできれば幸いです。
【結論】多種多様な障害と向き合い、老若男女問わずにその人の人生を応援する仕事です!
自宅で生活を続けるために利用するサービス
基本的に行う支援内容は高齢者と同じです。介護技術は基本があればOK。
多種多様な障害を知り、特性に応じて困り事や課題に向き合っていく
障害となっている疾病、障害部位を知り、その障害特性による困り事を一緒に解決していく。そのため、介護の知識や技術に加えて、障害そのものの理解が必要で知識や経験が増えていきます。
市区町村が認めれば、年齢を問わず利用できるサービス。成人はもちろんの事、乳幼児や児童の支援をすることもある。
乳幼児や児童の支援はその子の自立や社会への参加などに大きな影響を与えます。成人やお年寄りとは違ったゴール(支援目標)となり、新しいやりがいを得られるかも知れません。
障害福祉サービスって?どんなサービス?
では、どんなサービスなのか解説してきます。
障害福祉サービスは、障害のある方の日常生活や社会生活の総合的な支援について定めた法律「障害者総合支援法」に基づいて提供されるサービスです。
障害福祉サービスにはいくつか種類があります。日常生活のサポートを受けられる【介護給付】。就労支援などの訓練を対象にした【訓練等給付】。その中の【介護給付】について解説します。
障害福祉サービスの介護給付とはどんなサービス?
介護給付の分類
9つのサービスに分類されています。利用者が自宅で受けるサービス(訪問系)、利用者が施設等に通って受けるサービス(通所系や施設系)など様々です。
【サービス名】 | 【サービス内容】 | 【介護士として働ける場】 |
居宅介護 | 入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助を行います。 | ・訪問介護 |
重度訪問 | 重度の肢体不自由者又は重度の知的障害若しくは精神障害により行動上著しい困難を有する障害者であって常時介護を要するものにつき、居宅において入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の生活全般にわたる援助並びに外出時における移動中の介護を総合的に行うとともに、病院等に入院又は入所している障害者に対して意思疎通の支援その他の支援を行います。(日常生活に生じる様々な介護の事態に対応するための見守り等の支援を含む。) | ・訪問介護 |
同行援護 | 視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の当該障害者等が外出する際の必要な援助を行います。 | ・訪問介護 |
行動援護 | 知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有する障害者等であって常時介護を要するものにつき、当該障害者等が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護、排せつ及び食事等の介護その他の当該障害者等が行動する際の必要な援助を行います。 | ・訪問介護 |
重度障害者等包括支援 | 常時介護を要する障害者等であって、意思疎通を図ることに著しい支障があるもののうち、四肢の麻痺及び寝たきりの状態にあるもの並びに知的障害又は精神障害により行動上著しい困難を有するものにつき、居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護、生活介護、短期入所、自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及び共同生活援助を包括的に提供します。 | ・訪問介護 ・通所系施設 |
短期入所 | 居宅においてその介護を行う者の疾病その他の理由により、障害者支援施設、児童福祉施設等への短期間の入所を必要とする障害者等につき、当該施設に短期間の入所をさせて、入浴、排せつ及び食事の介護その他の必要な支援を行います。 | ・障害者施設 |
療養介護 | 病院において機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護、日常生活上の世話その他必要な医療を要する障害者であって常時介護を要するものにつき、主として昼間において、病院において行われる機能訓練、療養上の管理、看護、医学的管理の下における介護及び日常生活上の世話を行います。また、療養介護のうち医療に係るものを療養介護医療として提供します。 | ・病院や障害者施設 |
生活介護 | 障害者支援施設その他の以下に掲げる便宜を適切に供与することができる施設において、入浴、排せつ及び食事等の介護、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他必要な援助を要する障害者であって、常時介護を要するものにつき、主として昼間において、入浴、排せつ及び食事等の介護、調理、洗濯及び掃除等の家事並びに生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援、創作的活動又は生産活動の機会の提供その他の身体機能又は生活能力の向上のために必要な支援を行います。 | ・通所系施設 |
施設入所支援 | 施設に入所する障害者につき、主として夜間において、入浴、排せつ及び食事等の介護、生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援を行います。 | ・施設 |
障害福祉サービスで働くメリット
介護の知識が向上する
高齢者の介護には、高齢者の特性理解が欠かせません。障害者の支援でも同じです。障害者自身と、その人がもつ障害特性の理解が必要不可欠。疾病や障害部位など知識が増える事は間違いありません。
介護のスキルが向上する
知識が増える事で、支援の根拠そのものが明確になります。その人にとって必要な支援を、その人にとって最も負担の少ない形で提供するスキルが身につきます。
また障害児支援の場合、高齢者とは異なる支援目標や支援根拠になります。具体的には、その児童が「一人でも生活できるように多くの人と関わる」「両親以外の人と関わる機会を増やす」など様々です。そういった意味でもスキル向上は間違いないでしょう。
コミュニケーション能力の向上
知識やスキルが向上する事で利用者はもちろんの事、他職種とのコミュニケーションも円滑に進みます。
その後の転職に繋がる・有利になる
アセスメント・モニタリング能力など自ずと得られます。介護保険だけではない知識やスキルが身につき、経験がある事で障害福祉という大きな括りの中で優遇される事でしょう。
まずは事業所を探してみよう
障害福祉サービス等情報検索
47都道府県の障害福祉事業所の情報を調べる事ができます。働きたい地域などで検索してみて下さい。事業所の多さに驚きますね。
障害福祉サービス等情報検索※外部リンク
まとめ
自宅での生活を続けるために受けるサービス
色々な障害福祉サービスが存在します。障害をもつ利用者の身近で一番触れ合う機会がある介護士が、利用者のニーズを把握して、その利用者が生活する地域で自立した生活を送ることを目的にしているのが障害福祉サービスです。
身体が不自由、耳が聞こえない、目が見えない、難病で喋る事ができない…など。多種多様な障害利用者と関わる事で知識は増えてきます。そして嫌でも介護技術は広がるでしょう。知識や技術の経験が増えれば、障害福祉という介護業界では間違いなく価値のある人材になります。
介護=お年寄りというイメージですが、介護は高齢者だけではありません。乳幼児から高校生まで障害児と関わることで、介護の楽しさの再発見に繋がると思います。障害児が利用する障害福祉サービスへと転職することも一つの選択肢かも知れません。
以上、今日の記事も参考になれば幸いです。ありがとうございました。
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